安藤

入社2年目

技 術 職

私は、大都会東京の美術大学を卒業し…と言っても、大学があったのは、東京のすみのすみっこで、都会の「と」の字もないような場所だったので、「山の上大学」とでも言いましょうか。
そう、私は山の上大学を卒業し、迷い込んだそこは生地屋さん(ノリタケ)でした。
私は大学で、テキスタイルを専攻していたので、生地の世界のこと、少しくらいは知っているゾ!
と思っていましたが、足を踏み入れてみると、私の初期装備は木の棒でライフは3♡♡♡くらいだな…と悟ったのでした。
まだまだ冒険は始まったばかり。こんなところでへこたれるわけには。
しかしながら、まずみんなが何を話しているのかが分かりませんでした。(専門用語多すぎて)私はとうとう異国の地に辿り着いてしまったのか…何を言っているのかさっぱり分からん…と思っていました。これは先が長いぞ。と、これからの長い道のりへの覚悟を胸に決めたのです。

そうして必死に進んでいると、あっと言う間に一年が過ぎていきました。本当に早かったです。
でも確実に1年という時間が流れていったという実感があります。
例えるとすると、ゲームをプレイしていると一瞬で時間が過ぎるじゃないですか。あれです。
でも、その一瞬に感じる時間の中で、レベル上げをしたり、毎回ライフを削って進めないところを何度もトライして攻略したり、道具を集めたり、仲間を増やしたり、めちゃくちゃいろんなことをやっているわけです。そういう感じです。
私はこの、あっと言う間に過ぎていった1年の中で、分からなかった言葉も少しずつ理解できるようになってきたし、ちんぷんかんぷんだった機械も一人で動かせるようになったり、会社としては新しい試みである、自社で柄をデザインするというチャレンジをしたり、分かるようになったことや、出来るようになったことがたくさんあるなと実感しています。
しかし、これらはイケイケのニッターになる為の序章に過ぎません。
マリオで言うと、やっとワールドをクリアしたところでしょうか。先輩方からしてみれば、お前はまだ、ワールド1どころか、1-1だとか言われてしまうかもしれませんが、(そんなこと言われたら泣いちゃう、せめて1-2)どんなステージにも屈せず、クッパに囚われたピーチ姫をどうにかこうにか助け出すために………すみません。話がそれました。うちの会社にはクッパもピーチ姫もいません。
はい。
話を戻して…
まだまだではありますが、この1年での成長を、これから10年、20年と積み重ねていくと、とんでもないハイパーニッターになれるのでは…
ピーチ姫も救えちゃうかも…とワクワクしているわけです。はい。

それでは今、入社2年目の私が、更に2年後の入社4年目に突入した時、どういうファイターに…間違えました。どういうニッターになっていたいか、という話を少ししたいと思います。
まず、先程も少し話しましたが、美大出身者が入社したことをきっかけに今までやってこなかった自社で柄のデザインをするということを1年目の時からやらせてもらっています。これは、今まで会社にやってきた人がいない為、自分たちでやり方を模索して、手探りしながら道を切り開いていかねばなりません。道のないところを自分で開拓しているわけですから、ドキドキワクワクのアドベンチャーなのです。
今、やっていこうと思うのは、私はもっと「衣服のための柄」への理解を深める必要があるということです。身体の上に乗せることと、カーテンのように吊り下げるのとではわけが違います。好きな絵を描いていたら良いという訳ではありません。
売れなければ意味がないので、その時必要とされているものをキャッチする力や、衣服のためのデザインをする力をこれからもっと養っていきたいです。
そしてもう1つ、2年後に向けて勉強していきたいと思っているのは、染色整理です。
編み下ろした生機と、染色整理を終えて戻ってきた生地を見比べると、まるで別物で、いつも驚きます。お前は…本当にあの時送り出したあいつなのか……となります。
それくらい表情が変わるので、自らの手でサイコーのテキスタイルを生み出せるようになるには、染色整理の勉強は欠かせないと感じています。
私は欲張りなので、糸の事や組織の事、機械のことなどまだまだやりたいことはたくさんありますが、とにかく毎日1歩ずつ。
地に足をつけて前に進んでいきたいです。
ここからまた更に2年が過ぎた時、きっと「まだここか~~」と思っているのだろうけれど、振り返ると積み上げてきたことをしっかり実感できる場所に居られたらいいなと思います。装備も、ありふれた剣くらいにはなっているかもしれません。笑
これからどれだけゲームオーバーをくらったとしても、コンティニューし続けて、
成長を止めない所存です。